不動産投資を学び、本格的に買い進めて行こうと思う方には、RCマンション1棟買いが理想です。

RCとは
Reinforced-Concrete(補強されたコンクリート) の頭文字を取ったものですが、つまり一般的な「マンション」のことです。

不動産業界では構造材によって物件の種類を分けるようになっており、 細かくはこの他「鉄骨造(S造)」「SRC造」などがあるのですが、最も多く市場に存在しているのがRC造です。

不動産投資を学び、潤沢にキャッシュフローを増やしていきたいと考えるようになると、ほとんどの方がこのRCマンションに行き着きます。

RCマンションが投資家に人気の理由

融資期間が長く、キャッシュが貯まりやすい

長期間の借り入れができるということは、不動産投資にとっては有利な条件です。期間を長く取れれば、それだけ月々の返済金額を少なく抑えられ、家賃収入から経費を引いた最終手残りを多く得ることができます。

節税に有利

法定耐用年数(法律で定められた、減価償却ができる期間)が47年と、他の構造物と比較して最も長いです。この法定耐用年数は実際の耐久性とは直接関係ありませんが、他の構造体に比べて頑丈なつくりであることは間違いありません。

この年数が長いため、購入時の建物価格を必要経費として、長期間にわたって少しずつ計上することができます。これを「減価償却」といいます。減価償却期間が長いと、それだけ税務上では利益を圧縮することができるので、節税につながります。

入居者から人気が高く、客付けしやすい

頑丈である分、防音性も高く、入居者から人気が高いです。「RC造」を指定して部屋探しをする人もいます。

RCマンションは少なくとも8室以上、多いものでは30室、40室やそれ以上のものもあり、つまり部屋数が多いことが特徴です。規模が大きいということは、いくつか空室になっても全体の収入に与える影響が少なくなります。

売却にも有利

頑丈な材料が使われているRC造は資産価値が高いため、売却もしやすくなります。前述の通り長期間の融資が受けやすいことも、次の購入者が買いやすくなる理由の一つです。規模が大きいということは、うまく売却できればそれだけ利益も大きくなる可能性が高まります。

上記の通り、RCマンションは利益の面でも節税の面でも、そして客付けの点でも有利なことが多いのですが、だからといってそうやすやすと買えるものではないし、1度手に入れたからといって安心できないのです。

RCマンション投資の怖いところ

購入価格が高く、融資金額も莫大

木造と違って鉄筋コンクリート造なのですから、当然ながら建築コストが高いです。規模も大きいためそれだけ費用がかかり、1棟あたりの価格は少なくとも5,000万円以上、平均的なもので1億円-2億円、高いものでは何十億円と、上限はありません。

資産価値が高い上に、投資家の注目度が高いのですから、必然的に売買価格が上がり、利回りが低くなっていきます。

そういう物件を買うには、通常はそれ相応の自己資金が必要だし、いずれにしろ借金の額も何千万円、何億円にものぼります。この規模の資産を獲得し、当面の間、負債を負い続けるという考え方に、しっかりとマインドが備わっていなければなりません。

 修繕費の影響が大きい

もともとのつくりは良いけれど、年数が経てば劣化します。10年から15年くらいで外壁を塗り替えたり屋上の防水工事を施したりする大規模修繕が必要で、そのタイミングでは数百万円ー1千万円単位での出費が伴います。

給排水管も劣化にしたがって詰まったり、管が割れたりします。給排水管はほとんどは建物の中に設置されているため、ここから水が漏れると部屋の中に浸水することになり、被害が大きくなります。もちろんすぐに対処しなければなりません。これはRCに限ったことではありませんが、規模が大きく頑丈な分だけ、修繕する際にはそれなりに負荷がかかってきます。

残念ながら水漏れはかなり多く、中古物件では常に覚悟しなければならない出費といえます。こういう時のために、日頃からキャッシュを貯めておくことが重要です。

運営コストがかかる

規模が大きくなればなるほど、設備の充実も必要になってきます。エレベーターがその代表格で、5階建て以上のものにはほとんどエレベーターがついています。この分の電気代が非常に高い立体式駐車場も電気代に与えるインパクトは大きいです。

家賃価格帯も高くなってくるため、競合物件との優位性もよく考える必要があり、セキュリティ面でも充実させないといけません。24時間監視・対応ができる体制や、WiFiインターネット設備宅配ボックスなど、古い物件を購入した後には価値を上げるための設備費用もどんどんかかってくる可能性があります。

以上、一言で言って、RC造は規模が大きいのです。だからこそ資産価値も高いし、売買価格も高く、その分負債も多く、維持コストも高い。その替わり、購入・売却時の手間は同じ一棟分なら変わらないわけですから、大きなお金が動きます。優良な中古物件を手に入れて、安定的に運営することができれば、短期間に多額のキャッシュを効率よく得ることができるのです。

最後の夢は土地を持って新築RCを建てること

私を含めて多くの不動産投資家が理想とするのは、広大な土地にRCの物件を建て、満室経営することにあります。これができれば将来的にも安泰だし、売却時にも多くの利益を得られます。しかし、そもそも広い土地を賃貸需要のあるところに買うことは極めて困難で、どうしても大企業資産家が現金で購入していきます。たとえ融資を受けられて土地を手に入れても、物件が建つまでは家賃収入が無いので、その期間は返済に耐えられるだけの資金力が必要になってきます。

先祖代々から土地を受け継ぐ地主さんであれば、建物分だけ融資を受けての新築も可能ですが、資金がない不動産投資家にとっては、最初のうちは戸建てや小規模の木造アパートを安く買って高く売るか、なんとかして高額融資を受けて中古のRC造を購入し、返済しながらキャッシュを貯めていかざるを得ません。

何が正解か、というのは不動産投資を進める人の資産背景・目標時間的計画を総合的に鑑みて自己判断するものです。あとはその条件に合った物件を見つけるための努力として、情報収集人脈構築銀行開拓を続けるしかないですね。

各構造体の違いと特徴については、こちらの記事も参考にどうぞ。
https://sakuragi-academy.com/blog/select/types/