『不動産投資に興味があるけれど、どんなものを買えばいいの?』
こんな声をよく耳にします。

マンショ1部屋一棟ものか、新築中古か木造か鉄筋コンクリート造か・・・どこから手をつけていいかわからないですよね。ごもっともです。

このやり方が正解、というのは自分にしか決められませんが、だからこそまずはそれぞれの特徴について理解しておくことが大切です。

おさえておきたい5つの種類

一般的に、住宅をメインとする収益不動産の種類は4つに分類されます。

  1. ワンルームマンション
  2. 木造アパート
  3. 鉄骨造マンション
  4. RCマンション
  5. 一戸建て

もちろんこれだけではなく、もっと複雑で詳細な分類もあり、実際には奥が深いのですが、これから不動産投資を考えてみようという段階であれば、はじめにこの5つの形態を頭に入れておくと、物件を見極める際に役立つと思います。

不動産投資で最も重要なことは、どのようなタイミングでどのくらいの収益を得て、資産を構築していきたいか、というプランを立てることです。単なる妄想でも希望でも構わないので、とにかく目標が大切。

ただやみくもに「お金を儲けたいから」「副収入を得たいから」「不労所得が欲しいから」というような動機で始められるなら、判断を誤ることになりますので、はっきり言ってお奨めしません。

今の自分はこのくらいしか買えないだろう、と最初から決めつけるのではなく、これから自分がどうなりたいのか、ということをイメージしておく方が、正しい物件選びにつながります。

それではざっくりと、5つの物件種類別に、事業性にフォーカスしたそれぞれの特徴をお話しします。

蓄財するなら「ワンルーム」

価格:1,000万円〜3,000万円

家賃:5万円〜10万円/月

管理費・修繕積立金はオーナー負担

価格が手頃で融資は出やすい

ワンルームマンションは建物の中の一部を所有するため「区分所有」と呼ばれます。

物件価格が小さいため、新築であればほぼ全額の融資が受けられます。手元にまったくお金がない人は始めやすいと考えがちです。但し一棟ものと違って土地の担保価値がないため売却時の値下がりが激しいリスクがあり、返済が終わるまでほぼ手残りがないか、少しずつ手出しをしていくことになります。将来のための積立貯金のような感覚ですね。

融資をなるべく使わないで買う

一室なので、退去されたら収入は0円。融資を受けている場合は、その瞬間から自分のお金で返済しなければなりません。フルローンがか可能だとはいえ、返済リスクを恐れるならできるだけ融資を受けずに購入する方が安全です。十分な現金があって、他の事業で利益がたくさん出ているなら、節税対策としても有効です。

全国でももっとも需要の高い東京23区内であれば、空室が出てもすぐに次の入居者が決まりやすいと言われています。但し人気のエリアほど価格も高いので、利回りが低くなることを覚悟しておかなければなりません。

1室にとどまらず5室〜10室持てば、必然的に空室時のリスク分散にもなるので、複数所有すればするだけ経営は安定します。

バリエーションの多い「木造アパート」

価格:2,000万円〜9,000万円

修繕費・維持費が少ないので管理運営は容易

新築:オーバーローンも可能だが、キャッシュは残りにくい

土地を仕入れて提携の建築業者で新築を建てる業者が有名です。金融機関とも提携していて、多少金利は高くても自己資金を出さずに費用全額を借り入れることができます。

新築プレミアム」という言葉があるように、新築であれば他の物件よりも家賃を高く設定できます。購入時に新築プレミアム家賃で利回り計算すると、やがて退去があってからは家賃がガクッと下がる恐れもあるので要注意です。

建売の新築アパートには販売時の価格に広告費が上乗せされているケースが多く、実際の担保価値よりも購入価格が高いことがほとんどです。利回りも中古物件に比べて低く、利回りが低いということは、投資金額に対してリターンが少ないということになります。

したがって、高い金利で満額の融資を受けて購入した場合には、月々の返済分が多く、結果的になかなかキャッシュが残りません。残債が減るまで我慢して、やがて売却するか、完済後の家賃収入で老後の年金を補完する、もしくは個人で購入して団体生命保険に加入し、いざという時の備えにするという考え方なら有効です。

中古:利回りが高い(=物件価格が安い)ため投資効率が良い

価格:1,000万円〜5,000万円

修繕費はかなりかかることを覚悟する

中古のアパートは、比較的価格が安く、もっともお買い得なカテゴリーです。その代わり、融資がつきにくい修繕費がかかる空室を埋めるためにいろんな施策が必要になる、という理由から、ある程度の自己資金を持っているベテラン向きといえます。

安く買って高く売る、ということができる魅力的なカテゴリーですが、購入後に自分で価値を高め、満室にするための工夫とテクニックが求められます。

最近増えつつある「鉄骨造」

価格:6,000万円〜

技術の進歩に伴い細分化しつつある建築技術により、コストメリットの点で有利。

重量鉄骨造と軽量鉄骨造のちがい

不動産業界の慣習として、重量鉄骨は「鉄骨造」と表記し、軽量鉄骨造は「軽量鉄骨」もしくは「軽鉄」と表記されることが一般的です。

その違いは骨格材の肉厚にあります。4mmを超えるものは重量鉄骨造4mm以下のものは軽量鉄骨造と言われています。*4mmではなく6mmという説もあります。

骨格材が厚ければそれだけ頑丈で、遮音性も高まります。

また、軽量鉄骨で3階建てというのは耐久性の面で厳しいはずなので、3階建て以上なら重量鉄骨の可能性が高いです。2階建ての場合は軽量鉄骨造の可能性が高いので、たとえ「鉄骨造」と記載されていても、念のため確認してみることをお勧めします。

「鉄骨造」はコストメリット大

建築コスト、耐久性、修繕のしやすさ、維持費の低さといった観点で、鉄骨造は木造とRCの中間あたりと言えるでしょう。

事業規模を拡大する「RC」

価格:8,000万円〜10,000万円以上

固定資産税、定期的な大規模修繕など、まとまった出費がある

個人投資家が購入できるのはほぼ中古物件のみ

規模が大きい分、収入も大きくなります。融資の金額も物件と属性により様々で、金融機関の評価がわかれます。

RCとは”Reinforced Concrete“、鉄筋コンクリートの略。SRC造とは、”Steel Reinforced Concrete“の略で、鉄筋コンクリートに鉄骨を内蔵させた建築構造のことです。他には鉄骨造(S造)があります。

RCを制する者は不動産投資を制す、という言葉もありますが、融資さえ引けるなら、できるだけ大型の物件の方がキャッシュは早く貯まります。

土地を買って、新築を建てるのが不動産投資の最終形態

本来であれば、需要の高い土地を手に入れて、そこに自分で企画した新築物件を建てるのが不動産投資の真骨頂とも言えます。それにはまとまったお金が必要だし、物件が完成して満室にするまでの資金力が要ります。

その次元に到達するまでは、中古物件を買ってしばらく家賃収入で稼ぐか、途中で売却して現金を貯めていくしかないですね。

地道に増やす「築古一戸建て」

数百万円〜1千万円台

管理は入居者が自分で行うため、入居前に修繕を済ませればほとんどやることなし

融資はまず受けられないので現金買いがほとんど

昭和30年代、40年代に建てられた物件がザラにあるので、資産価値は期待できません。したがって融資はつかないものばかりですが、その分価格は安いです。

利回り20%以上のものもよく見かけますが、入居者がいない場合、きちんと人が住めるように修繕するのにいくらかかるかを見積もっておかないと、見誤ります。

大家力が養われる

そもそも収益不動産として建てられていないことが多いため、地形・立地・利便性・家賃など、自分で分析する力が求められます。

一度入居者が入ると、家族世帯はなかなか引っ越さないためかなり安定した収益が見込めます。いきなり大型物件に取り組む勇気がない人は、数百万円の戸建てから始めて、リフォームの知識と業界の人脈を広げるという選択も良いと思います。その代わり物件数を増やさないと、次のステップに進むにはかなりの年月がかかります。

どの物件を選ぶべきか

いかがでしたか。どの物件を選ぶべきかは個々の事情や目的によって変わってくるため、本や他人の知識で「優等生の選択」をしてもなかなか前に進まないことがあるので要注意です。

それぞれの特徴をよく理解し、メリットとデメリットを把握した上で、自分に合った物件を買い進めていくことが肝要です。その手始めとして、この4つの分類と特徴を頭に入れながら、物件情報に触れるだけでも、未知の分野に対する一つのハードルを下げることにつながります。