これから不動産投資を始めようとしている人は、いろんな不安があると思います。まずは何から始めれば良いのか、最も効率の良い進め方をお伝えします。
何のために不動産投資をするのか?
人生は目標に向かっていくもの
少しでも多くのお金を得るためには新たな方法・手段を考えることが必要です。しかしサラリーマンのような「月給」を得て仕事する人にとっては、収入が増えるのは半年もしくは一年に一度の昇給時期のみ。それ以外の毎日は、がんばってもがんばらなくてもあまり収入は変わりません。だからそういう環境に置かれている人たちは、お金を増やすために働こうというよりも、決められた月給がちゃんともらえるように、遅刻・欠勤をしないようにしたり、言われたことは守るようにしなければならない、と考えるようになります。
一方で、歩合制の給料をもらっている人たちは、成果を出した分だけ収入が増えるので、優秀な人ほど稼ぎが多くなります。ここにやり甲斐を感じて、結果を出すために最も効率的な方法を工夫しようとしたり、設定されたノルマを達成することに喜びを感じたりする人が多いです。しかし反面、活動を休んだり、健康を損なったりしたら、途端に収入が減ってしまうというリスクと隣合わせです。
そんな中でも、何か目指すものとか得たいもの、つまり「目標」を持っている方が、グチや不満などの余計なことを考えずに、前向きに生きていくモチベーションになることは間違いありません。
結果にコミットする!という本当の意味
ライザップでは「結果にコミットする」というキャッチコピーが有名ですが、これは、必ず目標を達成させる、という意味に受け止められます。だからなんとなく、この言葉を信じれば願う結果が得られそうな信頼感につながります。しかし、その目標は必ず「何cm細くなる」とか「何kg減らす」などの具体的な数値であることが必須です。
数値ほどわかりやすいものはありません。自分にもわかりやすいし、何より客観性があるという点で素晴らしいのです。自分が立てた目標に、関わる他人も納得し約束する。つまり、達成するのは自分ひとりではなく、周りの関係者も一緒に協力する、ということに「具体的な目標」の意味があるのです。
不動産投資も自分一人でできるものではないので、不動産販売会社、金融機関、管理会社、メンターなど、自分と関わる人々と、明確な目標を分かち合うことが重要なのです。
不動産投資で得られる収入の実態とは?
それほど甘くないオーナーの生活
不動産投資をしている人はもれなく大金持ち、と思っている人がいるかもしれませんが、残念ながら大間違いです。昔の「大家さん」と呼ばれる特権階級の人は、たしかに毎月家賃をもらいにいくことだけが仕事のようなイメージがありますが、サラリーマンからの副業で不動産投資をすることは、そんなにラクではありません。
まず、借金の返済があります。安定した返済をするためには、常に満室を維持する必要があります。とはいっても入居者にも都合・事情があり、退去は突然にやって来たります。一旦空室が出ると、次の入居者が決まるまで、オーナーは絶え間ない努力をしなければなりません。
そして、物件には修繕がつきものです。自宅もそうですが、人が住んでいる家には必ずいつか修繕しなければならない時がやってきます。水漏れなんかもしょっちゅう起きたりします。そういったトラブルに迅速に対応し、管理会社に動いてもらうための迅速な判断と日頃からの人間関係づくりが大切です。
月収100万円、という安易な発想
「たった◯◯するだけで月収100万円」というキーワードが、メルマガやPR広告などで目につきます。こういうノウハウは大抵の場合、詐欺でもなんでもなく、本当に真面目に取り組めば、月収100万円を実現できるものが多いです。私もいろんな情報商材を買い込み、チャレンジした経験があります。しかしそのほとんどは、月収100万円を達成できても、年収はその12ヶ月分ではなく、次の月が0円になったりマイナスになったりするものが多いのです。
それに比べて不動産賃貸業は、家賃×12ヶ月分が、そのまま年収になります。この点が他の投資や副業と大きく違う点ですね。しかしここにも大きな落とし穴があります。
不労所得ならぬ「苦労所得」
月収=家賃収入とした場合、それがそのまま現金として残るのは、借金もなく物件の管理も自分で行っている昔ながらの大家さんだけです。金融機関からお金を借りていれば、毎月返済があるし、管理を外注していれば、管理会社にその費用を支払わなければなりません。もちろん物件を持っていることで、毎年の固定資産税もかかります。
ですので、家賃収入を100万円とした場合、そこから返済やさまざまな経費を差し引いて、およそ2割から3割が手残り、つまり20万円から30万円が現金収入になれば良い方、というのが現実です。しかもこれを維持するためには空室対策や経費削減など、絶え間ない経営努力が必要です。不動産投資は不労所得なんてとんでもない、苦労所得なのです。
サラリーマンを辞めるために必要な収入はいくら?
安定した月給をもらっているなら、その2倍を目指せ!
カンタンに言うと、サラリーマンを辞めても今までの生活を変えたくないのなら、不動産投資ではその2倍の収入が必要です。収入とは、最終的に手元に残る現金のことです。なぜ2倍も必要か、というと、賃貸業には突発的な修繕や空室が普通に起こり得るからです。いかに安定しているとはいえ、月単位・年単位でみると、大きな修繕費がかかったり、空室を埋めるために高額な費用をかけてリフォームしなければならないこともあり得るのです。
今の状態を維持するためにも、次の投資を考える
物件をずっと所有し続けるとしても、収入は増えていきません。それどころか、家賃が下がる一方で、その他にも経費がかかったりして、収入は暫定的に減っていくことが普通です。
さらに税金面では、減価償却費という都合の良い経費計上項目が終了すると、今度は途端に税額が増えますので、その分、手残りが減っていきます。つまり長く持てば持つほど、収入は下がってしまうのです。
それでも不動産賃貸業で生きていくには、次の投資を考えた方が良いです。少しずつでも収入の柱を増やすことを考えておくことで、リスク回避になります。そして、次の投資をするためには、余力の資金が必要です。
したがって、今の生活レベルを維持するためには、いざという時の出費と、次への投資余力を含めて、現在の収入の、少なくとも2倍は必要、ということになります。
いつまでに、いくらのお金が、なぜ必要なのか。
今よりも収入が増えたときの生活を考える
必ずしもサラリーマンを辞めることをお勧めしているわけではありません。今、やり甲斐を感じられる仕事に就いているならば幸せなことだし、一人ではできない大きなことも、会社の組織力を使って成し遂げられることがあります。
それでも不動産投資に挑戦しようというのなら、そこから得たお金は何に使うのか。ここが原点です。副業を始めようとするからには、増えた収入で何をしたいのか、必ず理由があるはずです。
新しいビジネスに挑戦したい、趣味の分野での自分の可能性を試してみたい、もしくは家族や大切な人を支えてあげたい、など。いずれにしろ、現状ではできないことができるようになる、そのイメージを強く持つことが大切です。
一人でも多くの味方をつける
自分がやりたいことが明確になり、それを人に伝えて納得してもらえると、協力が得やすくなります。物件を紹介してくれる不動産会社、融資をしてくれる金融機関も、必ず不動産投資をする理由を聞いてきます。その際、相手が納得してくれる目標を明確に伝えることが、実はスタートにおいて非常に重要なことなのです。
自分にしか決められないこと
知識の習得よりも重要なこと
不動産投資を始めるとき、何も知らない、わからないからといって、臆する必要はまったくありません。不動産投資の仕組みはとてもシンプルなので、1ヶ月も勉強すればすぐに習得できます。それが不動産投資の良い点でもあり、危い点でもあります。「危い」という理由は、単純すぎてすぐに飽きてしまう、あきらめてしまう人が多いことです。
また「良い物件」を探したい・紹介して欲しい、と思ってしまう気持ちもわかりますが、物件の良し悪しは十人十色。その人の目標によって異なるのです。
まず最初に目標・目的を明確にしないと、購入するべき物件の判断ができない状況が、すぐにやってきます。紹介してもらいたくても、目標がわからないと紹介しようがないのです。一見良さそうに見えても、その人にとって必ずしも良いとは限らない、ここが大きな落とし穴です。
あきらめず、継続するための原動力
目標には1)具体的な数値と2)期限、そしてその3)理由が必要です。それは自分に対して誓いを立てることになるし、人を説得する材料にもなるからです。この場合の「人」とは、不動産会社や金融機関、もしくは反対する家族だったりします。
具体的な目標があれば、そしてその理由が明確であれば、何より自分自身がカンタンにはあきらめにくくなります。不動産投資は最初の結果が出るまで時間がかかることが多いし、運良く物件を購入できたとしても、一ヶ月とか一年で終わり、というわけにはいきません。継続することが必要です。
一つの目標を達成した後は、また次のステップの目標を立てることで、投資戦略も不動産事業も盤石なものになっていきます。不動産投資はときに人生を変えるほど大きな事業です。自分を成長させる上でも、周りの人とのコミュニケーション力を高めるためにも、明確な目標が必要なのです。